客観的な指標① 標準純音聴力検査

良い聴こえはどこにある? 成城補聴器ブログ

標準純音聴力検査(ひょうじゅん じゅんおん ちょうりょく けんさ)。

難しそうに感じますが、この検査の簡易版は、おそらく多くの方が学校検診や企業健診などで経験されています。それは補聴器を介さず、生身の身体(耳)だけで測定します。ヘッドフォンを頭に掛けて、「ピー、ピーとかプー、プーとか、かすかにでも聴こえたらお手元のボタンを押し続けてください」と説明を受けるアレです。

補聴器 標準純音聴力測定 防音室 リオン

この検査で右耳、左耳のそれぞれの最小可聴域値(さいしょう かちょう いきち)を調べます。最小可聴域値とは、その方が各周波数で自覚できる、一番小さな音のことです。

「聴こえが悪い気がする」と耳鼻咽喉科を受診すれば、保険診療で検査してもらうことが出来ると思います。この最小可聴域値を右耳、左耳で各周波数を線でつないだものが「オージオグラム」といいます。

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オージオグラム 例 成城補聴器

上図が「オージオグラム」です。赤マルと青バツ×の記載が確認できます。バツだからだめという意味ではありません。赤マルは右耳。青バツ×は左耳です。

それぞれ気導(きどう)の検査結果を表記しています。気導とは、ヘッドフォンを用いて、鼓膜等を通じて耳の奥(内耳)に音を伝える方法です。

気導と骨導 成城補聴器

これに対して、オージオグラムでコの字型、[→右耳、]→左耳で表記されるのは、最近話題の骨導(こつどう)です。

骨導は音を、鼓膜を経由する空気振動ではなく、頭蓋骨を振動子で揺することで内耳(蝸牛)に直接音を伝える方法です。骨導での検査(測定)も、オージオメータでは可能です。

上記例では、1,000Hz(ヘルツ)という周波数では、左耳が20dBで知覚できているのに対し、右耳は25dBで知覚できています。この結果からは、若干右耳の聴こえが悪い、ということになります。また高い周波数(オージオグラムの右側)が低い周波数に比べて聴こえが悪くなっているのも判ります。

この検査の診療報酬点数は2019年現在、350点(3,500円)。3割負担の保険証をお持ちの家庭なら、自己負担1,050円の検査費用。補聴器購入や調整の前に必要な検査です。補聴器購入が前提で、且つ補聴器相談医を受診すれば「診療情報提供書」という書面に結果の記載や、別添えで頂くことも可能です。本ブログで前述致しました客観的な指標①として、是非、先生から入手してください。

オージオグラムは、オージオメータという医療機器を用いて、且つ耳鼻咽喉科で検査して初めて得られます。オージオメータは日本工業規格で作り方が定められ、厚生労働省の薬事認証を経て世の中に送り出される医療用検査機器です。今は世界共通の音圧校正になっていますので、どの国でも同じ検査結果を取得できます。

昨今、補聴器メーカーなどからスマートフォンで聴力を測定できるようなアプリやサイトが出てきていますが、オージオグラムの取得はできません。正確な聴力の把握には耳鼻咽喉科で正しい情報を取得(*)してみてください。

(*)
成城補聴器フィッティングルームでは、補聴器をお使いの方が「聴こえが悪い」という主訴の際は、補聴器の出力特性を確認し、補聴器側に問題が見当たらなければ、装用者の聴力測定を行います。

店舗で用いているオージオメータは、ろう学校向けのリオン製オージオメータ AA-76や、大学・総合病院向けの最高機種AA-75、出張用途のコンパクトなAA-77A等を複数台備えて、病院と同様の検査手順(日本聴覚医学会 聴覚検査法 2008)で測定が出来るように心がけています。

補聴器の調整に必要な測定なので、当店では費用は頂いておりません。場合によっては耳鼻咽喉科に紹介し、診察・治療をお勧めする場合もございます。

「聴こえが悪い」という主観的な評価だけでは、その原因の推察は不可能です。客観的な情報(耳だけ・補聴器だけの二種類の測定と、過去の調整記録との比較)があって初めて、その原因追求と対策が可能です。

補聴器はコンピュータを用いて簡単に出力を上げることができる為、聴こえの悪化の精査をしないで対応する事も可能です。その場は解決しますが、危険な難聴を見逃してしまう場合も。医療連携が日常的に行われている補聴器店舗を見つけて「かかりつけ店舗」にすることが大切だと思います。

成城補聴器と同じ方針・対応のお店は全国にたくさんあると思います。それらの店舗では精査のためお待たせしてしまう場合もありますが、ご理解頂けますと幸いです。

 

 

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